ITが発達しても人が文章に触れない日はありません。
そして、恐らくほとんどの人が「文章を書く」という経験をしているはずです。
文章というとレポートや作文などの長文をイメージするかもしれませんが、LineやTwitterで呟く内容も立派な文章だと思います。
そうした時、このようなことを思う人はいないでしょうか。
「言いたい事がなかなk伝わらない」
「上手く文章が書けず苦手意識がある」
「文章を書こうとすると考えがまとまらず時間がかかってしまう」
そんな方にぴったりな本が今回紹介する「新しい文章力の教室ー苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング」です。
忙しいあなたのために、大事な点を抽出してお伝えします。
いい文章とは「完読」される文章である
この本を読む人は少なからず「文章を上手く描けるようになりたい!」と考えていると思います。
ではどのような文章が書けるようになれば自分は作文が上手くなったと言えるのでしょう。
「人が読んですぐ理解できる」
「人の記憶に残る」
「行動に繋げやすい」
など人により様々な定義があると思いますが、この本ではこのように定義しています。
「いい文章とは完読される文章である」
いくら内容が良くても、読んでもらえなければ意味がありません。
完読のためにまずやるべきは書く前の準備
完読される文章を100点の文章とした時に、「書く前の準備」をするだけで70点まではいけるそうです。
逆に言うと書く前の準備をせずに文章を書き始めると、その文章は30点以上を出せないことになります。
私はこれを読んだ時自分の文章がわかりにくかった理由がはっきりしました。
今まで書く前の準備に時間をかける事がなかったからです。笑
書く前の準備はどのようにすればいいのでしょう。
以下2点の準備が必要になります。
- 主眼
- 骨子
まずは文章の「テーマ」を決める
主眼とはその文章で何を言うのか、何を伝えるための文章なのかという「テーマ」のことです。
書きたいことをなんとなく決めて文章を書いてないでしょうか。
なんとなくで進めてしまうと書いているうちにどこへ向かったらいいのかわからなくなってしまいます。
また、話が変に脱線して何を言いたい文章だっけ?となりかねません。
文章の道標として、まずはテーマをしっかり設定しましょう。
何を・どれから・どのくらい書くのか決める
テーマを伝えるための経路を骨子と読んでいます。
同じテーマでも伝え方は様々ですからね。
骨子を構成する要素は
- 何を
- どれから
- どのくらい
の3つです。
特に「どれから」を示す順番は難しい箇所です。
本書では順番のアドバイスとして「大事な話題から先に」と伝えています。
具体的には下記の順番です。
- 結論
- 問題提起
- 状況説明
- 付帯説明
完読を目指す場合最後まで何を言いたいのかわからないと読むのを辞められてしまいます。
最後まで読みたくなるような魅力的な内容=結論を先に持ってくることで読者を惹きつけるのです。
主眼・骨子を元に文章を書く
主眼と骨子を考えたら後は書くだけです。
え、それだけ???
と思う人もいるかと思います。
僕もそう思いました笑
例えば料理をする時のことを考えてみます。
生姜焼きを作ろう。→テーマ
生姜焼きには豚肉、生姜、醤油、酒、砂糖が必要だ。→何を
まずはタレを作って、豚肉を漬け込んで、染み込んだら豚肉を焼こう。→どれから
生姜は大さじ1、醤油・酒は大さじ2、砂糖は小さじ1を入れよう。→どのくらい
上記のような手順で生姜焼きは完成しますよね。
テーマに対して何を・どれから・どのくらいでアプローチするのかが分かればテーマを実現する事が可能なのです。
だから主眼と骨子が分かればひとまず文章は書けるはずです。
ただし冒頭で述べたようにこのままでは70点。
これだけでは完読されません。
後は書いた文章をブラッシュアップしていく工程が必要になってきます。
書いたら読み返す
ブラッシュアップに一番有効なのが書いた文章を読み返すことです。
読み返す際は下記3点に注意すべきです。
- 意味
- 字面
- 語呂
その文章で正しい意味は伝わる?(ロジックは正しいか、事実誤認はないか)
読みやすい見た目?(漢字とひらがなの割合は適切か、読点は適切に打たれているか)
発音しやすい?(発音しにくい言葉や馴染みのない言葉を使ってないか)
といった内容を確認します。
3点を注意する具体的な方法があります。
重複チェック
読み返す際に注意すべき3点を炙り出すのに最も有効な手法が重複チェックです。
一口に重複と言っても、実は様々なレイヤーがあります。
具体的には5つのレイヤーがあります。
- 単語
- 文節
- 文型
- 段落
- 記事
- 段落
- 文型
- 文節
〜の〜の〜の〜など、同じ言葉が使われすぎていないか?→単語レイヤー
「〜と思った。〜と思った。〜と思った。」など同じ文末表現が繰り返されてないか?→文節レイヤー
「〜しながら、〜しました。〜しながら、〜しました。」など、2つ以上の文の構成がダブっていないか?→文型レイヤー
文型レイヤーのような重複が、段落レベルで起きていないか?→段落レイヤー
記事を通して何度も同じ内容を言っていないか?→記事レイヤー
重複はあらゆる箇所で発生しています。
レイヤーを意識することで重複チェックの抜け漏れを無くすことが可能になります。
まとめ
ここまで完読を目標とした文章の書き方を紹介してきました。
完読されるためには読者に頭を使わせるような負担を与えず、伝えたいことをすんなり理解してもらえる文章にする必要があります。
そのために「書く前の準備」が重要ということをお伝えし、その後は「重複チェックを通してブラッシュアップ」をしていくという
方法をお伝えしてきました。
本書では完読のために、さらなるワザを紹介しています。
ただし、そのワザはこれまで伝えてきた基本がクリアできた後で習得するものだと思っています。
大事なのはワザを覚えることよりも、「どう書けば読みやすい文章になるか=完読される文章になるか」を考えることです。
皆さんがこの記事を読んで少しでも文章を書くことへの苦手意識が軽減していただければ幸いです。
より詳しいスキルを身につけたいという方は是非「新しい文章力の教室」を読んでみてください!
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